遥かに仰ぎ、麗しの~第5話『めざせ正道野球』
【みやび】
「も…もういやじゃ~っ もうたくさんじゃ~っ
こんなきちがいじみたバント地獄は~っ!!
仁礼~っ! こたえてみろ~っ!
このバント野球の中から何が生まれてくるんじゃ~っ!!
こんなバント野球からはなにも生まれはせん!
ただ消えることのない憎しみとうらみだけじゃ~~~っ!!
みんな考えなおしてくれ~っ
わしらのめざす夢は……野球道はこんなもんじゃなかったはずだ~~~~っ!!
こんな無意味な試合に汗をながしたって…
花は咲きゃせん咲いたところでくさった野球花よ~っ!」
スクッ
【暁】
「小便かい…?」
【司】
「帰るのよ! これ以上みてられっかい
こんなくさった野球を…
おれはさらにみがきがかかった凰華野球をみにきた!
ヒステリックな女同士のケンカをみにきたんじゃねえや!」
【暁】
「ホ~~ッ あんやつもみかけによらん短気もんじゃ~っ!」
【坂水】
「無理もない!
みがかれたお嬢様野球のおうしゅうをみてこそ
新しい凰華をめざす理事長の…かてとなりはげみとなろうものを…!
バントと敬遠の応酬では…理事長でなくとも腹が立つ!」
【美綺】
「ごめん…ごめんなさいよ~~っ チョッと通してもらいもんど~~っ!
通してね~っ みさきちからのお願いよ~っ」
【栖香】
「……………なんのつもりだおのれは?」
【美綺】
「おなじ野球をやるもんとして…
こんなつまらん試合をやられたんじゃ…
せっかくこれだけあつまってくれた
学院関係者に申しわけがなかとじゃ~っ」
【場内アナウンス】
「な…なんと~~っ
バッターボックスを中心にこつぜんと
四角なビリヤードテーブルが急造された~っ
いったいなんのためか~っ!」
【美綺】
「さあーっ はいったはいった!
バントのすきなおはんら
野球なんぞやらんでこん中で気のすむまで玉突付かんか~~っ!
なんならキューでもCSカードでも用意してやっど~っ!
そこのトンガリ眼鏡(註:邑那の意) おはんもどうじゃ~っ」
【真名鶴】
「お……おちょくりさらすな~っ」
【美綺】
「せからし~っ!
玉突付きあってよろこんどるこの助平どもが~~~っ!!
いっぱしのお嬢様づらすっとじゃなか!
こげなゆがんだ野球をやって……!
さあーあがれ! あのテーブルですきなだけ玉を突付かんかい!!」
【司】
「相沢! それぐらいでもうよかろう!!
もうこの試合にみるべきものはなにもない!
いくぞ相沢!」
【栖香】
「ま……まて~~いっ!
そこまでいわれてはひきさがっておれん!!
みせてやろう新バントを!!
なげーいちびっ子理事長ーっ」
【みやび】
「な…なにい!? 新バント?」
【栖香】
「いくぜ~っ!」
【暁】
「…………フルスイング!」
【場内アナウンス】
「な…なんだーっ
フルスイングからミートの前に止まった!
う…動かない! が……強すぎる!」
【みやび】
「ほ…ホームラン!?」
【群集】
「な…なんだあのバントは
止まった状態で打ったのにボールが凄い勢いで飛んで行ったぞ」
「バントホームランだ!
それも初代燃えプロの!!」
【栖香】
「どうでえ!!
このくろまてバントでもみるべきものはないといいはるかい!!」
【司】
「ないね! いかにすぐれたバントでも
正統な戦いの中でこそ輝くものだ!
正道にたちかえれ分校チーム
それ以外にすくいはない!!」